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本日は、柔軟な働き方を進めるために有効な、多様な正社員制度についてご案内いたします。
1、多様な正社員とは?正社員との違いについて
「多様な正社員」とは、職務内容や勤務地・勤務時間を選択して勤務できる正社員のことをいいます。
一般的に「正社員」とは、労働契約期間の定めがなく、所定労働時間がフルタイムであり、直接雇用の社員をさします。
また、勤務地・職務・勤務時間に制限はありません。
多様な正社員は従来の正社員と比べて、配置転換や転勤・職務内容や勤務時間などの範囲が限定されている社員です。具体例は以下のとおりです。
- 所定労働時間がフルタイムでない、または残業を免除されている正社員(勤務時間限定正社員)
- 転勤エリアが限定されている、または転勤のない正社員(勤務地限定正社員)
- 担当する職務内容や仕事の範囲が限定されている正社員(職務限定正社員)
2、制度導入のメリット
制度の導入によって、会社側は、転勤やフルタイム勤務が困難な従業員の離職を防止できるため、優秀な人材を定着させることが可能になります。また、多様な正社員として働く選択肢を提供することは、採用を有利に進めることにも繋がります。
なお、無期転換ルール(※)によって無期雇用となった社員のキャリア活用にも効果的です。
3、導入にあたって
制度の導入にあたっては、まず、導入の目的を明確にすることが大切です。
活躍のイメージをしっかりと社内で共有した上で、多様な正社員が人事管理上の課題に対応できるかを確認します。次に、既存の社員区分の状況を整理して、等級や待遇、転換ルールを検討します。
導入にあたっては、就業規則の改訂や社内への周知方法も検討する必要があります。多様な正社員の待遇が他の社員と異なる場合には、待遇差が適切であるかも検討しなくてはなりません。
4、おわりに
多様な正社員制度の導入は、経営者・従業員双方にメリットのある制度です。
従業員の方が能力を活かせる働き方を、一緒に考えていきましょう。
本日のご案内は以上です。ご不明点があればお気軽にお問い合わせください。
参照:多様な正社員、(全業種版)多様な正社員及び無期転換ルールに係るモデル就業規則と解説、有期契約労働者の無期転換ポータルサイト(厚生労働省)