月額変更届とは?給与に大きな変動があった場合の手続きのまとめ

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本日は、給与に数か月間変動があった場合に提出する、月額変更届についてご案内いたします。

月額変更届とは

月額変更届とは、給与に大幅な変動があった場合に、社会保険料を給与に合わせて変更するために必要な届書のことです。

社会保険料(健保・厚年)は、保険料額表の等級に基づいて決定されています。給与を一定の幅で区分して、標準報酬月額の等級に当てはめるもので、健康保険は50等級、厚生年金保険は32等級に分かれています。

通常、1年間の保険料は、4月から6月に受けた報酬の平均を標準報酬月額の等級に当てはめて計算します。

決定し直された標準報酬月額は、9月から翌年8月までの各月に適用されます。

上記の一年に一度保険料を決定する手続きを、「定時決定」といいます。提出する届書は算定基礎届です。

給与の「大幅な変動」とは、変動月からの3か月間に支給された報酬(残業手当等の非固定的賃金を含む)の平均月額に該当する標準報酬月額と、これまでの標準報酬月額との間に2等級以上の差が生じることをいいます。

2等級以上の差が生じた場合は、変更後の報酬を初めて支給した月から数えて4か月目から、保険料の改定を行います。この手続きを「随時改定」といい、月額変更届の提出が必要となります。

参照:随時改定(日本年金機構)

随時改定の対象となる賃金について

随時改定の対象となる条件は、①固定的賃金が変動すること②標準報酬月額の等級に2等級以上の変動が生じたこと③賃金支払基礎日数が3か月間とも17日以上あること(短時間労働者は11日以上)です。

固定的賃金とは、支給額や支給率が決まっているもので、勤務時間や営業成績で変動しない賃金をいいます。

具体例は次のとおりです。

  • 昇給(ベースアップ)、降給(ベースダウン)
  • 給与体系の変更(日給から月給への変更等)
  • 日給や時間給の基礎単価(日当、単価)の変更
  • 請負給、歩合給等の単価、歩合率の変更
  • 住宅手当、役付手当等の固定的な手当の追加支給額の変更

残業手当や歩合給の増減は固定的賃金の変動ではないため、随時改定の対象ではありません。

なお、固定的賃金に少しでも変動があれば、残業手当や歩合給等の非固定的賃金も含めて報酬月額の平均を計算しますので、注意しましょう。

※「報酬」とは、労働者が労働の対象として受ける全てのものを指します。年4回以上の支給される賞与についても、標準報酬月額の対象となる報酬に含みます。

随時改定の適用期間はいつまで?

6月までに随時改定によって決定された標準報酬月額は、再び随時改定がない限り、当年8月までの各月に適用されます。
なお、7月以降に改定された場合は、翌年の8月までの各月に適用されます。


事業主の方は、随時改定があったときは従業員にその旨を通知する必要があります。通知の方法は任意ですが、確実に伝えるようにしましょう。

参照:被保険者への通知(日本年金機構)

まとめ

月額変更届(随時改定)のまとめ

  • 月額変更届とは、給与に大幅な変動があった場合に、社会保険料を給与に合わせて変更するために必要な届書のこと。この手続きを随時改定という。
  • 随時改定の要件は3つ。①固定的賃金の変動②変動月からの3か月間平均の標準報酬月額と、これまでの標準報酬月額との間に2等級以上の差が生じた③賃金支払基礎日数が3か月間とも17日以上(短時間労働者は11日)あること
  • 固定的賃金とは、支給額や支給率が決まっているもので、勤務時間や営業成績で変動しない賃金のこと
  • 6月までに随時改定によって決定された標準報酬月額は、再び随時改定がない限り当年8月まで、7月以降に改定された場合は、翌年の8月までの各月に適用される。

本日のご案内は以上です。
ご不明点のある事業主の方、労務ご担当者の方はお気軽にお問合せください。

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